Q&A

乳がん治療の副作用対策・その他

吐き気が強いときの対策はありますか?

治療前日は、「今のうちにしっかり食べて栄養をつけておこう!」と皆さん考えられるようです。また、点滴(化学療法)直後は「思ったよりずっと楽でした。帰りに家族と美味しいものを食べて帰ります」という声をよくお聞きしますが・・・

① 治療の前後は消化の良い、軽めの食事をこころがけましょう。
② 吐き気の強いときは、食べられるときに食べたいものをたべましょう。
③ 治療後の飲み薬は、食事がとれなくても飲んでください。また、薬を飲まなければならないからと無理に食事をする必要はありません。
④ 吐き気が強く食事がとれないときも水分摂取は忘れずに。電解質バランスのとれたスポーツ飲料が効果的ですが、味が気になるときは、水にレモンを垂らすなど飲みやすい工夫を見つけましょう。

渡辺 亨 先生
(浜松オンコロジーセンター 院長)

下痢になった時の食事はどのようにすればいいですか?

下痢が起きたら、脱水症を起こさないこと、排便回数が通常よりも6~7回多い場合は、脱水症の可能性がかなり高くなります。
脱水症は体内の水分と電解質(主にナトリウム)が失われた状態なので、下痢が起こったら、まずは水分と電解質(塩)をこまめに補給してください。市販のスポーツ飲料でも手軽に水分補給ができますが、かなり糖分が多いので4倍ほどに薄めて、レモンをしぼって入れたり、塩を少し入れたりするといいですね。
ただし、水分を一度にたくさん摂ると、その反動で腸が刺激されてさらに下痢が起こるので、水分は少しずつ摂ること、ゼリー状のものもいいかもしれません。一番危険なのは、水分補給するとまた下痢が起こるからと水分を摂らなくなってしまうことです。下痢には水分補給が最優先なので、食事についてはあまりこだわらなくてもいいでしょう。

坂東 裕子 先生
(筑波大学医学医療系 乳腺内分泌外科学分野 准教授)

腹部膨満感があります。体力維持のため、無理しても食事をするべきでしょうか?

腹部膨満感がある時は、無理して食事は摂らないほうがいいです。抗がん剤で治療をされている方に限らず、そのほうがすっきりして、調子が良くなることが多いです。1日くらい食事はしなくても特に問題はないですが、水分だけは摂るようにしてください。

竹原 めぐみ 先生
(医療法人DIC宇都宮セントラルクリニック 乳腺外科)

便秘がちなのですが日常生活の中での対策のポイントを教えてください

女性の半分は便秘に悩む、という説があります。普段から便秘がちだったり、便秘で悩まれる機会がある女性は多いのではないでしょうか。その原因として、月経前に便秘になるなど女性ホルモンによる作用、男性に比較して腹筋が弱いこと、ダイエットや食事摂取量が不足することにより便が少なくなる、ストレスや多忙による排便習慣への影響などがあげられます。
便を出すためには腸の蠕動(ぜんどう、腸が収縮し腸の内容物を先に送り出していくこと)が大切です。腸の蠕動は副交感神経が主にコントロールをしています。副交感神経はからだを休めているとき、リラックスしているときに働き、特に就寝時に活発となります。朝、食事をすると、腸に刺激が伝わり、排便をする習慣をお持ちの方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、朝、時間がなく食事を抜いたり、ばたばたしたり、緊張していると排便の機会を逸してしまうかもしれませんね。排便のタイミングは人それぞれですが、リラックスすることが大切です。食事の内容や消化のスピードは人により異なりますので、毎日排便がないからといって、便秘というわけではありません。
治療中には吐き気止めや痛み止めの種類によって、便秘が副作用として出てくることもあります。便秘でおなかが張って調子が悪い、腸の動きでおなかが痛い、便がいつもと違って黒い、血液が混じっているように見える、便秘と下痢を繰り返すときなどは医師に相談しましょう。

心地よい排便習慣のためにいくつか気をつけてみましょう。

① 食事を規則正しくとりましょう。
食事をとることは腸への刺激となります。
② 食物繊維をふくむ食事を心がけましょう。
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、両方とも便秘には大切です。不溶性食物繊維は胃や腸で消化吸収されにくいため、腸を刺激したり、便の量を増やしたりするのに役立ちます。便を柔らかくするためには、水分も一緒に摂取するようにしましょう。不溶性食物繊維は野菜、きのこ、オートミールや豆類に豊富に含まれています。一方、水溶性食物繊維は腸内で水に溶けてゲル状になります。腸内細菌のバランスを整えたり、血糖上昇を緩やかにするなどの作用があります。水溶性食物繊維は海草類、こんにゃく、粘り気のある野菜(里芋、山芋、オクラなど)、熟した果物などに含まれます。
③ 適度な運動を心がけましょう。
からだを動かすことによって全身の血行がよくなったり、腸の働きが活発になります。腹筋が強くなると、排便をしやすくなります。また、運動中は交感神経が刺激されますが、無理のない範囲でのストレッチや体操は気分転換になり、リラックスできると副交感神経による腸の蠕動運動が期待できます。

坂東 裕子 先生
(筑波大学医学医療系 乳腺内分泌外科学分野 准教授)

抗がん剤の治療を始めてから爪が薄くなり割れやすくなりました。爪が割れると衣類などがひっかかりやすくなったりします。良い対処法はありますか?

抗がん剤によって、爪が反ったり、割れたりするなど、爪障害が起こることがあります。市販品ですが、爪や爪周りの乾燥を防いでくれる保湿用のオイルや、爪が薄い、割れやすいなどの爪の傷みに対して、内部まで浸透し補修してくれるマニュキアのように塗るタイプのものがあります。障害に応じて使ってみることをお薦めします。

沢井 紀子 先生
(浜松オンコロジーセンター 薬剤師)

関節の痛みを減らすためには、どのようなことに気をつければよいですか?

更年期や乳癌のホルモン治療で女性ホルモンが少なくなると、関節痛や骨粗鬆症が生じることがあります。カルシウムが多く含まれる食材には、乳製品、小魚、小松菜などがあります。他には関節を温める、マッサージ、適度な運動を行うことが関節の血行を促進するためよいでしょう。ストレッチやウォーキング、ラジオ体操、水泳、ヨガなどがおすすめです。

坂東 裕子 先生
(筑波大学医学医療系 乳腺内分泌外科学分野 准教授)

手足にしびれを感じるようになりました。日常生活でうまく工夫できることはありませんか?

抗がん剤によっては、しびれがあらわれることがあります。脱毛などの副作用とは違って、しびれは目で確認できないので、まずは家族や仕事仲間など周囲の人に説明し理解してもらいましょう。そのうえで、仕事、家事などはがんばりすぎないようにしてください。
しびれがある場合、手足の感覚が鈍くなっているので、ものを落としたり、階段を踏み外したり、歩いていてつまづいたり、またハサミや包丁などの扱いにも注意が必要になります。また、熱さも感じにくくなっているので、低温やけどなどにも気をつけたいですね。大きな事故につながりかねません。

竹原 めぐみ 先生
(医療法人DIC宇都宮セントラルクリニック 乳腺外科)

抗がん剤治療を始めてから出血しやすくなりました。食事、生活上での注意点はありますか?

出血に関して、食事や生活上での注意点は、特にないですね。抗がん剤によっては、副作用で鼻血が出ることはありますが、少量の鼻血ならば問題はないです。状況によって異なりますが、問題となるような出血もあるので、明らかに出血しやすいのであれば主治医に相談するようにしてください。

渡辺 亨 先生
(浜松オンコロジーセンター 院長)

貧血への対処法、軽減できる対応策があれば教えてください。

貧血の原因にもよりますが、抗がん剤治療による貧血であれば、治療開始後1~2週間後に徐々に出現し、治療が終われば治るので心配はありません。ただし、貧血の症状が強い場合は、主治医に相談してください。

渡辺 亨 先生
(浜松オンコロジーセンター 院長)

だるくて疲れやすく、何もする気になりません。うまく付き合う方法はありますか?

倦怠感とうまく付き合う方法というのは、なかなか難しいですね。
抗がん剤治療によるものであれば、ずっと続くわけではないので、その時期は無理をしないようにしましょう。あまりのつらさに「誰もわかってくれない」という気持ちになることもあると思いますが、つらい時こそ遠慮しないで、「つらい」と口に出して家族や周りに伝えてください。何もする気力がわかない時は、手を抜くところは抜く、皆の助けを借りる、そうやってその時期をやり過ごすことです。周りはきっと助けてくれますよ。

渡辺 亨 先生
(浜松オンコロジーセンター 院長)

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