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教えてドクター(Q&A)

乳がんになってから、食べるものに敏感になったけれど、どんなものを食べたらいいの?
これは食べてはいけないの?など、さまざまなお悩みに専門家の先生がずばりお答えします。

お答えくださる先生方

医師

渡辺 亨 先生

浜松オンコロジーセンター
院長

医師

坂東 裕子 先生

筑波大学医学医療系
乳腺内分泌外科学分野
准教授

医師

竹原 めぐみ 先生

医療法人DIC
宇都宮セントラルクリニック
乳腺外科

薬剤師

沢井 紀子 先生

浜松オンコロジーセンター

Q

乳製品を摂ってはいけないのですか?

A

牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品を食べることが、乳がんを悪化させるという科学的データは特にありません。
ちまたには、乳がんの方の食事に関してさまざまな情報があふれていますが、本来は何も難しいことはなく、さまざまな栄養を食事からまんべんなく摂ることが大切です。がんになったからといって、好きな食べ物を必要以上に我慢したり、逆に特定の食品だけを無理して食べることはせず、栄養バランスのとれた食事をご家族や友人(親しい方々)とともにおいしく食べましょう。

渡辺 亨 先生(浜松オンコロジーセンター 院長)

Q

肉は食べないほうがいいと聞いたのですが?

A

診察をしていると、よく患者さんに「肉は食べてはいけないのですか(食べてもいいのですか)」という質問を受けることがありますが、肉自体、または特定の肉が、乳がんに影響するということはありません。牛肉、豚肉、鶏肉など、種類によってそれぞれ摂取できる栄養素が違いますので、日々の食事の中でこれらをバランス良く取り入れていってください。

坂東 裕子 先生(筑波大学医学医療系 乳腺内分泌外科学分野 准教授)

Q

マルチビタミンのサプリメントを飲んでも良いですか?

A

ビタミンのサプリメントを飲んでも特に治療や病気に影響が出ることはありません。ただし本来は、ビタミンをはじめとする栄養素はなるべく日々の食事の中で摂取し、欠乏した分をサプリメントによって補うと良いでしょう。普段からバランスの良い食事を心がけ、日常で口にする食べ物から自然に補うことが望ましいでしょう。

竹原 めぐみ 先生(医療法人DIC宇都宮セントラルクリニック 乳腺外科)

Q

このまま一生、味がわからないままなのでしょうか?

A

抗がん剤の種類にもよりますが、6割近くの方に味覚障害があるといわれています。
「感じにくくなった」、「強く感じる」、「別の味になった」など、治療経過の間に変化する場合もあります。
しかし、多くの患者さんにお話を伺うと、例えば3週間ごとの治療なら「点滴して2週間くらいは味の変化があるけれど、次の点滴までの1週間はずいぶん良くなって食事もとれるようになりました。」とおっしゃる方もいます。そして、治療が終わって1ヶ月もすると、明るい表情で「味が変わって食べられなくなってしまったものも、本来の美味しさが戻ってきましたよ。」と教えてくださいます。
味を感じる器官である「味蕾」は2週間程度で新しくなるのでだんだん回復していきます。
安心して時期を待ちましょう。ただし、違和感が続くようであれば、医師に相談しましょう。

沢井 紀子 先生(浜松オンコロジーセンター 薬剤師)

Q

リンパ浮腫を予防するためにはどんなことに気をつければよいですか?

A

リンパ浮腫は発症してしまうとなかなか治らない病気なので、予防がとても大切です。
一般的な「むくみ」とは少し違うので、利尿剤などで水分を出しても良くはなりません。
しかし、水分による「むくみ」や体重の増加によりリンパ浮腫が発症・悪化することがありますので、塩分やカロリーが高すぎる食事には気をつけた方がよいでしょう。
わきの下のリンパ節を取る手術(リンパ節郭清)をした場合、一生のうちに約50%の人がリンパ浮腫を発症する可能性があります。センチネルリンパ節生検をした場合の発症の可能性は5%前後とされていますが、0%ではありません。
手術した方の腕を酷使しないよう心がけ、だるさを感じるようであれば腕を少し高くして休ませること、ケガや虫刺されに注意し、何か異常を感じたら受診時に相談しましょう。

竹原 めぐみ 先生(医療法人DIC宇都宮セントラルクリニック 乳腺外科)

※「センチネルリンパ節生検」について、詳しいことは下記をご参照ください。
日本乳癌学会「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」
Q26.「センチネルリンパ節生検について教えてください。」

Q

女性ホルモンに似ている大豆イソフラボンをとっても、乳がんは再発しないのでしょうか?

A

豆腐、味噌、納豆などの大豆食品に多く含まれる大豆イソフラボンは、植物性ホルモンと言われており、化学構造が女性ホルモンに似ています。大豆食品は、古来から日本人の食生活をささえてきた大切な要素であり、日本人やアジア人が食事から摂取する量は欧米人などに比較してとても高いことが知られています。女性ホルモンはいわゆる“ホルモン受容体陽性乳がん”(エストロゲンあるいはプロゲステロン受容体陽性乳がん、全乳がんの約70%程度をしめる)の発生や増殖を促進することが知られていますが、イソフラボンは女性ホルモンの作用を阻害することにより、乳がんを予防する効果があるのではないかと考えられています。一方、弱いエストロゲン作用により、基礎研究などにおいては乳がんに対して悪影響を及ぼす可能性も懸念されます。
乳がんに対する大豆イソフラボンの影響を考える上で、①乳がんの発症予防効果、②乳がんを発症している方が大豆食品を食べることの安全性を分けて考えてみましょう。

① 乳がんの発症予防効果:
厚生労働省研究班が行った、「多目的コホート研究(JPHC 研究)」(40~59 歳の女性を対象にした 10 年間の前向き追跡調査)においては、味噌汁や大豆イソフラボンの摂取量と、乳がん発症リスクの低減に相関関係があり、イソフラボンをあまり食べない人に比べ(味噌汁1日1杯以下など)、たくさん食べる人の方(味噌汁1日3杯以上など)が乳がんになりにくいことが報告されています。他の研究でも大豆摂取量の高いアジアでは、イソフラボンの摂取により乳がん発症が減少する可能性が報告されています。

② 乳がんを発症している方が大豆食品を食べることの安全性:
乳がんを発症している方に対するイソフラボンの影響を調べた質の高い研究は限られていますが、近年の解析では乳がん診断後の大豆およびイソフラボン摂取が、乳がんの再発や死亡を減少させる可能性があると報告しています。今後も精度の高い研究を日本人も含めて行う必要があると考えられますが、少なくとも乳がん患者さんがイソフラボンを摂取することによる明らかな副作用は報告されていません。

上記のように、現時点では食事から摂取される程度の大豆イソフラボンによる乳がんへの悪影響は確認されていません。しかし,乳がんの治療を行った方が、サプリメントとして高用量のイソフラボンを摂取することに関しての安全性は証明されていないので、こうしたサプリメントによる大豆イソフラボンの摂取は控えるようにしましょう。
多くの大豆食品はイソフラボンだけではなく、ほかにも不飽和脂肪酸、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類、植物性タンパク質など、体にとってよい成分を多く含む食品です。日本人にとって、無理なく、おいしく、健康的な食生活を楽しんでいきたいものですね。

坂東 裕子 先生(筑波大学医学医療系 乳腺内分泌外科学分野 准教授)

Q

「お酒は控えたほうがよいのですか?」

A

アルコール飲料の摂取は、乳がん発症の可能性を高めるといわれています。一方、再発乳がん患者さんにとってどのような影響があるのかについて、現時点で結論は出ていません。
ほどほどであればアルコール飲料も問題ないと考えられますので、無理にやめるより、時には適度な量を楽しみながらリフレッシュして前向きに治療を続けていくことも大切です。

渡辺 亨 先生(浜松オンコロジーセンター 院長)

Q

「吐き気が強いときの対策はありますか?」

A

治療前日は、「今のうちにしっかり食べて栄養をつけておこう!」と皆さん考えられるようです。また、点滴(化学療法)直後は「思ったよりずっと楽でした。帰りに家族と美味しいものを食べて帰ります」という声をよくお聞きしますが・・・

① 治療の前後は消化の良い、軽めの食事をこころがけましょう。
② 吐き気の強いときは、食べられるときに食べたいものをたべましょう。
③ 治療後の飲み薬は、食事がとれなくても飲んでください。また、薬を飲まなければならないからと無理に食事をする必要はありません。
④ 吐き気が強く食事がとれないときも水分摂取は忘れずに。電解質バランスのとれたスポーツ飲料が効果的ですが、味が気になるときは、水にレモンを垂らすなど飲みやすい工夫を見つけましょう。

渡辺 亨 先生(浜松オンコロジーセンター 院長)

Q

便秘がちなのですが日常生活の中での対策のポイントを教えてください

A

女性の半分は便秘に悩む、という説があります。普段から便秘がちだったり、便秘で悩まれる機会がある女性は多いのではないでしょうか。その原因として、月経前に便秘になるなど女性ホルモンによる作用、男性に比較して腹筋が弱いこと、ダイエットや食事摂取量が不足することにより便が少なくなる、ストレスや多忙による排便習慣への影響などがあげられます。
便を出すためには腸の蠕動(ぜんどう、腸が収縮し腸の内容物を先に送り出していくこと)が大切です。腸の蠕動は副交感神経が主にコントロールをしています。副交感神経はからだを休めているとき、リラックスしているときに働き、特に就寝時に活発となります。朝、食事をすると、腸に刺激が伝わり、排便をする習慣をお持ちの方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、朝、時間がなく食事を抜いたり、ばたばたしたり、緊張していると排便の機会を逸してしまうかもしれませんね。排便のタイミングは人それぞれですが、リラックスすることが大切です。食事の内容や消化のスピードは人により異なりますので、毎日排便がないからといって、便秘というわけではありません。
治療中には吐き気止めや痛み止めの種類によって、便秘が副作用として出てくることもあります。便秘でおなかが張って調子が悪い、腸の動きでおなかが痛い、便がいつもと違って黒い、血液が混じっているように見える、便秘と下痢を繰り返すときなどは医師に相談しましょう。

心地よい排便習慣のためにいくつか気をつけてみましょう。

① 食事を規則正しくとりましょう。
食事をとることは腸への刺激となります。

② 食物繊維をふくむ食事を心がけましょう。
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、両方とも便秘には大切です。不溶性食物繊維は胃や腸で消化吸収されにくいため、腸を刺激したり、便の量を増やしたりするのに役立ちます。便を柔らかくするためには、水分も一緒に摂取するようにしましょう。不溶性食物繊維は野菜、きのこ、オートミールや豆類に豊富に含まれています。一方、水溶性食物繊維は腸内で水に溶けてゲル状になります。腸内細菌のバランスを整えたり、血糖上昇を緩やかにするなどの作用があります。水溶性食物繊維は海草類、こんにゃく、粘り気のある野菜(里芋、山芋、オクラなど)、熟した果物などに含まれます。

③ 適度な運動を心がけましょう。
からだを動かすことによって全身の血行がよくなったり、腸の働きが活発になります。腹筋が強くなると、排便をしやすくなります。また、運動中は交感神経が刺激されますが、無理のない範囲でのストレッチや体操は気分転換になり、リラックスできると副交感神経による腸の蠕動運動が期待できます。

坂東 裕子 先生(筑波大学医学医療系 乳腺内分泌外科学分野 准教授)

Q

どうしても食欲がありません。どんなことに気をつけたらよいですか?

A

食欲がない時に無理して食べるとかえって吐き気をもよおすことがあります。
脱水にならないように注意していれば、極端な事を言えば数日間は食べなくても大丈夫なので、無理に食べることを考えなくて良いです。(水分もとれない場合は医師に相談して下さい)
「食後」の薬も、食事していなくても飲んで良いものもありますので、無理に食べてから飲むのではなく、医師に相談しましょう。

竹原 めぐみ 先生(医療法人DIC宇都宮セントラルクリニック 乳腺外科)

Q

口内炎にならないための対策はありますか?

A

口腔内が乾燥すると、口内炎ができやすくなります。また、好中球数が下がる時期には口内炎もできやすくなります。保湿と保清を兼ねてうがいをしましょう。(※清潔に保つこと)

・ペットボトル(500mL)に水道水を入れます。そこに小さじ1杯(5cc)の食塩を入れて溶かします。
 これで、体に優しい生理食塩水の出来上がりです。毎日、作り変えましょう。
・味覚障害で塩味を強く感じてしまうようであれば、水だけの洗口にしましょう。
・乾燥が強いときは口腔ジェルの使用もよいでしょう。

皮膚炎の予防に保湿剤を使用して、湿疹ができにくい状態にすることに似ていますね。

沢井 紀子 先生(浜松オンコロジーセンター 薬剤師)

Q

毎日家族の食事を一人で作らなくてはいけない、と考えるとつらいのですが。

A

日々の食事作りは、後回しにできない家事ですね。でも実際に献立を考え、買い物をし、材料をそろえ、調理やあと片付けまですると考えると、一苦労です。ましてや体調が悪いとき、疲れがあるときには気が重くなることもあるかもしれません。治療の副作用で、食欲が落ちることや、味覚に変化があることもあるでしょう。
体調がすぐれないときには無理をさけましょう。家族や友人に頼ったり、お惣菜やお弁当のテイクアウトを利用してみるのもよいでしょう。手間をかけずに、食事を楽しみたいですね。

坂東 裕子 先生(筑波大学医学医療系 乳腺内分泌外科学分野 准教授)

Q

口内炎がある場合、避けたほうがよい香辛料などはありますか?

A

① まずは、お刺身などに直接つけた醤油はしみて痛みが強くなりますね。
ソースや塩も同じです。香辛料・酸味の強いもの・炭酸・熱いものなど刺激になるものは避けましょう。

② 固いものは、患部にあたって痛みがでます。
結果的に、食べられるものが減って口内炎で食欲低下を訴えられる方も多くいらっしゃいます。患者さんは、そーっと食べやすいものを流し込むように食べていらっしゃいます。

③ つい、飲食を避けるようになり水分不足になることがあります。
飲みやすい水分はこまめに摂るようにしましよう。

沢井 紀子 先生(浜松オンコロジーセンター 薬剤師)

Q

治療によって食欲が増加することもありますか?

A

ホルモン療法や化学療法の前投薬としてのステロイドで食欲が出ることがあります。
一時的なものですので、食べられるときは気にせず食べましょう。

渡辺 亨 先生(浜松オンコロジーセンター 院長)

Q

治療中は生ものを避けて、加熱したものを食べたほうが良いのですか?

A

火の通っていないひき肉やかきなど普段の食事で気をつけるもの以外で気にすることはありません。

渡辺 亨 先生(浜松オンコロジーセンター 院長)

Q

添加物や保存料などはなるべく摂らない方がよいのですか?

A

一般的に摂りすぎはあまり良いとは言えませんが手抜きも重要なので、気にしすぎも良くないです。上手に取り入れましょう。

竹原 めぐみ 先生(医療法人DIC宇都宮セントラルクリニック 乳腺外科)

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